日本脳炎は1歳から打つのは早い? 生後6ヶ月から接種するメリット

日本脳炎予防接種の接種時期について

日本脳炎は1歳で打つのは早い?3歳から標準接種期間の日本脳炎ワクチンは、生後6ヶ月から接種可能です。1歳までは多くの予防接種を受けないといけませんので、当院では1歳過ぎくらいにお勧めしたいと考えています。ご不明な点がありましたらお問い合わせください。

 生後6ヶ月から接種するメリット

生後6カ月から日本脳炎予防接種を打つメリット

  • 早く免疫をつけられる。(生後11ヶ月での発症例があります)
  • 西日本は日本脳炎ウイルスを持っているブタが多くおり、日本脳炎は、そのブタを刺した蚊が人を刺すことによって起こります。兵庫県は2013年に日本脳炎が発生したことがあり、リスクが比較的高い地域と考えます。
  • まだ小さい時期に予防接種した方が、クリニックに連れてきやすい。(抱っこが楽。育休中で連れてきやすい。泣いたり暴れたりしても対処しやすい。)

当院としては、3歳以降まで待って接種するメリットは基本的にないと考えています。

日本小児科学会も、「最近、日本脳炎患者が発生した地域に居住する小児は6ヶ月から接種することを推奨する」と言っています。その文章を以下に記します。

日本脳炎は、日本脳炎ウイルスを保有する蚊にさされることで感染します。日本脳炎ワクチンの普及と生活環境の改善により、日本脳炎患者発生は最近少なくなっていますが、毎年各都道府県で実施されているブタの抗体保有状況をみると日本脳炎ウイルスは西日本を中心に広い地域で確認されています。

現在、日本における日本脳炎ワクチンの1期の標準的接種時期は、初回接種として3歳からとなっています。ただし、定期接種の1期として接種可能な時期は生後6~90か月となっており、希望すれば生後6か月以上であればいつでも接種可能です。

最近の小児の日本脳炎罹患状況をみると、熊本県で2006年に3歳児、2009年に7歳児、高知県で2009年に1歳児、山口県で2010年に6歳児、沖縄県で2011年に1歳児、福岡県で10歳児、兵庫県で2013年に5歳児の報告があります。また、2015年千葉県において生後11か月児の日本脳炎症例が報告されました。

日本脳炎流行地域*に渡航・滞在する小児、最近日本脳炎患者が発生した地域・ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域**に居住する小児に対しては、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種を開始することが推奨されます。

**国内のブタの日本脳炎抗体保有状況

日本脳炎ワクチンの接種量は、3歳未満で0.25mL、3歳以上で0.5mLと異なります。しかし1期接種を初回接種から追加接種まで全て0.25mL で済ませた場合でも、効果に問題がないことが確認されていますので、ご安心ください。(2016年2月 公益社団法人日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会の提言より一部抜粋)

日本脳炎予防接種の回数・標準的な接種時期について

日本脳炎ワクチンは合計4回接種します。

回数 当院の推奨スケジュール 標準接種月齢 備考
第1期 初回(1回目) 1歳の春~夏 3歳になったら 生後6か月~接種可能
2回目 初回から28日間あける 初回から6日以上間隔をあける
3回目 初回から約1年あける 初回から6か月以上、約1年経過後に受ける
第2期 4回目 小学4年生(9~10歳) 9歳~13歳未満

日本脳炎予防接種の副反応(副作用)について

日本脳炎の予防接種では、以下のような副反応が確認されています。

  • 発熱
  • 接種部位の腫れ、赤み(3%未満)
  • アナフィラキシー、けいれん、急性散在性脳脊髄炎(0.001%未満)

日本脳炎予防接種が受けられない人

以下に該当する場合は、日本脳炎の予防接種を受けることができません。

  • 明らかな発熱がある
  • 重篤な急性疾患にかかっている・ワクチン
  • 含まれる成分によってアナフィラキシーを起こしたことがある

このような場合は事前にご相談ください

以下に該当する場合は、一度ご相談ください。

  • 心臓、血管、腎臓、肝臓、血液系の持病がある、発育不全が見られる
  • 過去に受けた予防接種後2日以内に、発熱、全身の発疹などのアレルギーが疑われる症状が見られた
  • 過去にけいれん発作を起こしたことがある
  • 過去に免疫不全の診断を受けたことがある
  • 先天性免疫不全症の診断を受けた近親者がいる
  • ワクチンに含まれる成分によってアレルギー反応を起こす可能性がある

日本脳炎とはどんな病気なの?

 感染経路について

日本脳炎ウイルスは、ブタなどの動物の体内で増殖します。その動物の血を蚊(コガタアカイエカ)が吸い、その後ヒトを刺したときに感染します。日本脳炎ウイルスがヒトからヒトへと感染することはありません。兵庫県を含め、西日本に多く生息していると言われています。

おもな症状・死亡率など

6~16日ほどの潜伏期間を経て、発熱、吐き気、頭痛などの症状を起こします。
重症化すると、けいれんを起こしたり、光過敏、昏睡状態に陥ることもあります。ほとんどが未発症のままではありますが、発症した場合の死亡率は20~40%と、非常におそろしい病気です。

日本脳炎の予防法について

日本脳炎ウイルスをヒトにうつすコガタアカイエカは、夏に多く発生し、水田や沼地を好む習性があります。また、日没以降に活発に活動するため、夏場の夜にそういった場所に近づかない、肌を露出させない、虫よけスプレーを使用するといったことで、感染を防ぐことが可能です。
家屋の近くにコガタアカイエカの好む水田や沼地がある場合には、蚊帳を使う、窓の開閉を最小限に留める・開ける場合には網戸を活用するといったことも有効です。
なお、日本脳炎ワクチンの接種によって、日本脳炎の罹患のリスクを75~95%削減できると言われています。

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