ヒューヒュー・ゼーゼー 子どものぜん息―小児気管支ぜん息―
気管支ぜん息は、発作が起こると気管が細くなって、ヒューヒュー、ゼーゼー聞こえて息苦しくなる病気です。子どものぜん息はほとんどがアレルギー体質であることが原因で、2~4歳くらいで発症することが多いです。2歳より小さい年齢で発症するぜん息を乳児ぜん息と呼び、重症化しやすかったり、診断が難しかったりします。
どんな病気でもまず診断をすることから始まりますが、ぜん息は比較的多い病気の割に診断が難しく、実はぜん息に気づいていない患者さんもたくさんおられるかもしれません。
こんな症状はございませんか?
- 夜寝ている時にせき込みやすい。明け方決まった時間にせき込む。(昼間は元気)
- 布団の上げ下ろしや部屋で暴れたりすると、せき込んだり、ヒューヒュー聞こえたりする。
- 季節の変わり目(春や秋)に咳が出ることが多い。
- 走ったり、運動したりすると、咳が出たり、息が苦しくなったり、ヒューヒュー聞こえたりする。
- 普段は元気でもぜん息気味と医師に言われ今までに3回以上吸入治療をしたことがある。
こんな症状があれば、一度相談に来てください。
面白い話があって、プロのスポーツ選手がぜん息と気づかずにずっと競技を続けてきて、ある日たまたま受けた検査で呼吸機能が良くないことがわかり、ぜん息の治療を始めたところ、みるみる成績が上がったと言う例があります。
意外とスポーツ選手でぜん息の人って多くいるみたいですよ。
小児気管支ぜん息の検査
当院では、ピークフローメーター、ぜん息日記、呼気NO検査、呼吸機能検査(フローボリューム曲線、一秒率)などの検査をもとにぜん息の診断を正確に行い、日常生活の指導はもちろん、適切に薬剤を使うように心がけています。
小児気管支ぜん息の治療
ぜん息は成長すると自然に治ると信じ、重症になるまできちんと治療していない方もおられます。確かに成長とともに自然に治る方も大勢おられますが、治療せずそのままにしておくと、治りが遅れたり、元の気管支に戻らなくなったりすることもあるので、ぜん息といわれたことがある方は、定期的に通院をお勧めします。
お薬は、いろいろありますが、抗アレルギー薬、吸入ステロイド薬、気管支拡張薬などを組み合わせながら、治療を進めていきます。
ぜん息の薬は少なすぎても効きませんし、多すぎたら副作用が出ることがあります。また、期間が短すぎたら効果が出ませんし、だらだら長く飲み続けるのもいけません。
小児気管支ぜん息Q&A
子どもでぜん息になりやすい体質ってあるのでしょうか?
両親がアレルギー体質の場合や乳児期にアトピーや食物アレルギーを持っていた場合にぜん息になりやすいです。
子どもに風邪症状はなく、咳が続いているのですがぜん息の可能性はありますか?
そうですね。繰り返しているようでしたら、可能性を考えた方がいいかもしれませんね。
子どものうちにぜん息を完治することはできるのでしょうか?
自然に治る子どもも70%ぐらいいると言われています。治療により普通と変わらない生活を(特にはスポーツ選手として)送れることも十分あります。
軽症のぜん息であれば自然に治るのでしょうか?
確かに症状がひどくなることは少ないかもしれませんが、軽症だからと油断しないでください。思わぬ重症化もみられることがあります。