梶山小児科・アレルギー科 | 神戸市灘区にある小児科・アレルギー科

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院長ブログ

子宮頚がんワクチン(HPVワクチン)についての考え

久しぶりのブログ更新です。

よくみたら、今年になって初めてです。どうあいさつをしたら良いか判りませんが、今年もどうか宜しくお願いいたします。

さて、今年最初のテーマは、「子宮頚がんワクチン」です。

いきなり重たい、、、

ごめんなさい。

でも、まさに今書くべき時、いや遅すぎたかもしれません。

というのは、今こうして書いているときにも、子宮頚がんのために子宮を摘出しなければいけない女性が日本におそらく1日あたり約30人、子宮頚がんのために亡くなる方が1日あたり約8人いるといわれています。特に20代から30代の今から結婚、妊娠、出産という時期に増えていると言われています。(厚生労働省の報告から計算)

私は、開院当初から国内だけではなく世界各国での子宮頚がんワクチンの有効性や副作用などの情報と、先ほど書いた子宮頚がんにより苦しむ女性の存在を総合的に,公平な目で評価して、積極的な勧奨をしない定期接種である「子宮頚がんワクチン」を、来院される方々に、特に小学6年生以上の女性に勧めてきました。(子宮頚がんワクチンのことを現在ではHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンと言いますが、ここでは、子宮頚がんワクチンと書きます)

しかし、当院でも接種される方は年間数名です。この現状に、憂いを感じ悶々と過ごしていました。

なお、私には、年頃の娘が二人おりますが、もちろん接種いたしました。

「不安はなかったか?」

全くありませんでした。理由は、シンプルに言うと、娘に子宮頚がん(HPV関連がん)になって欲しくなかったからです。

予防接種を打つことによって、1日あたり8人もの方が亡くなる病気がほぼ予防できるのです。しかも、定期接種ですから無料です。こんなに、下品な言葉を使い申し訳ありませんが、おいしい予防薬は他にありません。

このことを書く事の背中を押してくれたきっかけが、2017年11月に、子宮頚がんワクチンの安全性を検証する記事を書き続けてきた医師の村中璃子さんが、ジョン・マドックス賞を受賞したというニュースが飛び込んできたことです。ジョン・マドックス賞とは、困難や敵意に屈せず公益に資する科学的理解を広めた個人を表彰する物で、イギリスの一流科学雑誌ネイチャーなどが主催して行っています。わかりやすく言うと、多くの反対意見にも負けず、科学的に正しいことを世のため人のために広めた人に贈られる賞です。最近、村中さんが「10万個の子宮」という著書を出版されました。クリニックの本棚にも置こうと思っています。

ついつい、周りの意見に流されてしまうタイプの人多いですよね。

ぼくもその一人ですが、やはり、この子宮頚がんワクチンの問題はほっといたらあかんだろうと言う思いがずっとありました。

娘に接種する不安は全くなかったと書きましたが、副作用が起きるリスクはないとは思っていません。どんな薬にも副作用が起こりえるというのは,当然理解しています。普段の診療の中でも、有益性と有害性を天秤にかけて治療や予防接種を行っています。ですので、ごくまれな副作用が起こってしまっても、まずは、最大限その治療に当たる事が大切と考えています。特に、子宮頚がんワクチンの場合、きちんと副作用に対する治療拠点病院を整備しており、対策もとられているので、なおのこと安心です。

そんな治療拠点病院を作らないといけないほど危険なワクチンなのかと考える方もおられますが、実際は安全性が高いのですが、世論の声もあるので、万全の体制を整えましたよ、と言うことです。

ここまで、国内では対策を取っており、安心ですね。 😛

海外に目を向けると、以前から子宮頚がんワクチンが定期接種になっている国では、すでに、子宮頚がんの発生がどんどん下降してきているようです。子宮頚がんは過去の病気となり若い医師は,教科書でしか見たことがないと言う状況になりつつあるようです。海外での副作用報告はありますが、日本で見られているような痛みの報告は非常に少ないようです。

世界保健機構(WHO)は、子宮頚がんワクチンは全ての女性に勧めており、日本の現状を「若い女性たちは,本来予防可能であるHPV関連がん(子宮頚がんを含む)の危険にさらされたままになってしまっている。不十分なエビデンスに基づく政策の決定は、安全かつ効果的なワクチン使用の欠如につながり、真の被害をもたらす可能性がある」と述べています。

そうなのです。

子宮頚がんワクチンの接種をこのまま行わない(現在の接種率は約1%)ことは、確かに副作用も出ない(接種されてないのだからあたりまえですよね)し、子宮頚がん(HPV関連がん)の発生頻度も今と変わらない(増えるかもしれないけど)ので、あまり大きな問題がないように見えるというのが問題で、実際はこのままワクチン行わないと、本来救えるはずの女性の命を救えないと言うのが大きな問題だと思います。そして、その女性から産まれるはずだった子どももいたはずと考えると、本当に問題が大きいと考えるとともに小児科医として辛いです。

ずっと、女性へのワクチンと書いてきましたが、最近は、男性にも接種を認める国もあります。国内でも男性が子宮頚がんワクチンを接種しましたというブログがありました。このことを書き始めると終わりませんのでまた次回にします。

とにかく、まずは子宮頚がんワクチンに興味や関心を持っていただければ小児科医としては、嬉しいです。 😛

そして、接種してもいいかなと少しでも思われたら、当院までご相談だけでも御来院下さい。

書き始めたら長文になってしまって申し訳ありません。 😉

最後までおつきあいありがとうございました。


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