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2016.09.20

色の区別がつきにくいってありませんか?

生まれつき、色の区別がつきにくい、誤認しやすいなどの症状を持つ人がいます。「先天色覚異常」と言います。

例えば、

  • 黒板に赤いチョークの文字が読みにくい
  • 黒板の色は、黒だと思う(本当は緑色)
  • 緑色のトマトを、熟したトマトだと思う
  • 桜の花びらを、白色という
  • お肉がまだ赤いのに、焼けたと思う
  • リトマス試験紙で色が変わったことがわからない

などの症状に心当たりのある方はおられますか?人によって、区別しにくい色はまちまちです。

この異常はほとんど男性に起こり、約5%にみられます。つまりクラスに1人程度はいるという計算です。

平成14年3月に学校保健法の改正でそれまで必須だった色覚検査が削除され、以降学校でほとんど行われなくなりました。

ちょうどその頃小学生だった人が、今社会に飛び立つ年齢になりました。現在、多くの小中高生が自分の色覚の特性を知ることなく、進学就職に向き合っている現実があると知りました。

色覚異常は病気ではありませんし、これによって差別されるということはもっての外です。しかし、色覚異常に気付かず過ごし、人と比べることができないので、こんなもんだと思い歳を重ね、いざ仕事についたときにわかり、挫折するという困難も受けるべきではないと思います。

例えば、美容師になろうとしているがヘアカラーの色の違いがわからない、鉄道や航空会社を目指して勉強していたが、就職直前に色覚異常であることを知ったなどの事例が挙げられています。

最近、学校保健の規則で、色覚異常のことを保護者に周知させ、教職員は正確な知識を持ち生徒が不利益を受けることがないようにするような改定がなされました。

色覚異常があっても、悪化することはありませんし、自分で間違いやすい色を知っておくと、工夫ができほぼ普通に生活ができますので、心配はいりません。

もし、気になる症状があれば、眼科または当院までご相談ください。